人・夢・技術 株式会社長大
人・夢・技術 グループ

お知らせ

【実証実験結果報告】 宮古島まいぱり熱帯果樹園で複合発酵技術を活用した水循環実証実験に成功 水の使用量削減の目標値達成および再生水の農業用液肥としての効果確認 ~幅広い活用を想定した継続検証に向けて東急株式会社、東建産業株式会社と新たな協定を締結~

2024年04月19日

株式会社長大(以下、「当社」)は、2023年2月27日にお知らせした通り、東急株式会社、東建産業株式会社とともに、水資源使用量の削減を通じた循環型社会の構築及び生物多様性の保全を目指し、宮古島まいぱり熱帯果樹園(以下、「まいぱり」)において、複合発酵技術を活用した水循環の実証実験(以下、「本実証実験」)を行ってまいりました。この度、3月31日に実証実験が終了し、良好な結果が得られましたのでお知らせいたします。

本実証実験では、まいぱり敷地内施設で発生する排水を、長大の持つ「複合発酵技術」で浄化し循環利用するという水循環システムの処理能力と、再生水を液肥とした施設内の農作物の成長を検証してまいりました。結果として、水の循環利用により施設の平均上水使用量の削減効果および再生水を液肥として活用した農作物の成長率の向上が確認されました。
なお、複合発酵処理設備に流入した水は、トイレ用水および農業用液肥(検証対象区の果樹園への散水)として、100%再利用しております。


20240419_01_2.JPG
まいぱり水循環実証実験の特徴

本実証実験の結果を受けて、まいぱりで活用した水循環システムを改良した新たな水資源循環システムの活用検証に向けて、2024年3月31日に、3社は新たな協定を締結いたしました。宮古島での実験から対象を広げ、東急線沿線での活用・利用を想定した実証実験を継続してまいります。



20240419_03.JPG
両社による水循環システムの今後の展開についての対談
(写真右下から)東急株式会社 岩井常務、堀江社長、後藤課長、三渕統括部長
(写真左下から)株式会社長大 野本社長、永冶会長、加藤取締役、宗広統轄部長


当社の主たる事業である建設コンサルタントの役割は、人々の生活基盤である社会インフラに対し、発注者の技術パートナーとして企画、調査・計画・設計をはじめ、建設事業全般に亘って幅広い技術サービスを提供することで、社会の課題を解決し、まちを支えることです。

当社は、そのサービスの1つとして、まいぱりで活用した水循環システムと類似した、微生物の働きで汚水を浄化し洗浄水へとリサイクルする装置を備える自己完結型・自己処理型のバイオトイレを販売し、下水道や水道が整っていない場所や災害時のトイレ問題などの課題解決に貢献しています。


今後も、実証実験の経過報告や複合発酵技術を活用したインフラサービスについて継続的にご報告してまいります。
引き続き、当社および人・夢・技術グループの展開にご期待ください。




■本実証実験の概要
[期間] 2023年2月27日~2024年3月31日
[場所] 「まいぱり」宮古島熱帯果樹園 (沖縄県宮古島市下地字与那覇1210)

■本実証実験の特徴
現在「まいぱり」敷地内の施設から排出される下水は、既存浄化槽にて処理後、塩素殺菌を行って地下へ浸透させています。本実証実験では、既存浄化槽からの排水において塩素などを使用せず、複合発酵設備で追加処理することで、再利用が可能なレベルまで浄化し、施設のトイレの洗浄用水として循環利用します。
また再生水は、農業においては農作物の成長を向上させるための農業用液肥となることが期待されるため、まいぱり果樹園や近隣農園の液肥として活用することで、安全な農作物の成長の向上、土壌や海洋環境の改善、生物多様性保全に貢献します。

■2023年2月27日 実証実験の開始リリース

■本実証実験の様子


20240419_04_2.JPG
複合発酵技術設備が入るコンテナ

20240419_05_2.JPG
水循環が行われるコンテナ内部

20240419_06.JPG
2023年7月7日・宮古島市長視察時

20240419_07_2.JPG
まいぱり・水循環利用対象の施設イメージ