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希少植物の移植
土捨場として改変を受ける場所に生育するホンゴウソウの移植
ホンゴウソウは暗い林床下にはえるホンゴウソウ科の多年生植物であり、葉緑素を持たず地中のバクテリアから栄養を得ている腐生植物です。地上部の長さは、最大で5cm程度であり、非常に見つけづらく、その生態から一般的には移植不可能とされています。
当社では、これまで多くの植物の移植経験を有しており、ホンゴウソウも決して不可能ではないと考え、移植を試みました。
事例 土捨場の造成に伴う腐生植物の移植の実施
移植は下記の考え方のもと、実施しました。
(1)生育個体を探す
非常に見つけづらい植物ですが、移植を行うためには、
可能な限り多くの個体を探すことが必要です。
(2)生育環境を調べる
移植を成功させるためには、生育している環境を適正に
把握・評価することが重要です。
ホンゴウソウの移植では、下記の項目について調べました。
○明るさ(照度)
○土壌(土質と深さ、湿潤状況)
○落葉等の堆積状況
○周辺の植生
(3)移植候補地を選定する
把握した生育環境と、同様の環境を調べ、移植候補地を選定します。
このとき、将来環境が変わるような場所は、移植個体が存続できなくなるため、
将来にわたって安定的な場所を探します。
(4)移植する
地中のバクテリアに依存している種のため、大きく土ごと移植します。
移植後のモニタリング
モニタリングの結果、移植株の生育が経年的に確認されたほか、新規の発芽も見られました。
これにより、移植は成功したものと考えています。